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国際山岳ガイド 篠原達郎氏よりのレポート

<2008年ドロミテ、スロベニア写真キャプション>

◆イタリアの北東部岩山は、いわゆるドロミテ・アルプスと呼ばれています。氷河に囲まれた、モンブラン山群やマッターホルンで有名なヴァリスアルプスとは異なり、美しい湖と森からいきなり岩峰がそそり立つ異様な光景が目立ちます。その中でも特に有名なのが、均整の取れた3つの岩峰、「ドライチンネ」です。今回は、主峰のチマ・グランテ北壁を登りに行きました。

 

↑イタリア語でトレチーメラバレド、ドイツ語ではドライチンネ(3つの岩峰)その南面から眺めると一番右のこじんまりした3つ目の岩が、チマ・ピッコラとチマピコリシマになります(良く見ると3つに分かれていますが、3つまとめて1つに数えます)。小ぶりでも300メートルほどあります。

 
↑チマピコリシマ・カシンルート6P目のトラバース。このⅤ級25mのトラバースは、なかなか巧みで面白い。リカルド・カシンらしく、巧みなトラバースでハング帯を越えている。

↑ドライチンネ南面の麓にあるラバレド小屋より、チマ・ピッコラとチマピコリシマを望む。

 

↑ドライチンネの南面を望む。左下に見えるのがオーロンツォ小屋。ここまで、で入山できる。中央の岩峰がドライチンネの主峰、チマ・グランテ(2998m)。その北壁は、ヨーロッパアルプス6大北壁の1つに数えられている。

 

↑チマピコリシマの北面取り付きからの眺め。周りは、美しい岩山がそそり立つ。

 

↑チマ・グランテ北壁を登攀後、南面を下降する。その時、一般ルートより登頂したイタリアのクライマーと会う。懸垂下降の順番待ちシーン。

 

↑ドロミテを代表する町、コルチナダンペッオから良く目立つ岩峰、チンクエトーレ(イタリア語で5つの岩峰)フリークライミングの好ルートが揃っている人気のエリア。

 

↑スロベニアの最高峰、トリグラウ(2864m)の北壁を望む。巨大なピトンとカラビナのオブジェが印象的である。

 

↑チマ・ピコリシマの北面取り付きから、ドライチンネのハイキングコースを望む。一週4時間程度の人気のハイキングコースである。この日もハイカーでにぎわっている。北壁の眺めは、絶景である。

 

↑7月のスロベニアは、天候に恵まれると暑い。標高1600mほどに岩場にフリークライミングを楽しみに行く。クライマーは、国際山岳ガイド、篠原達郎


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