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UTMFのレポートby 加藤淳一

5月18日に河口湖を出発して富士山をトレイルでぐるっと一周回るという、壮大なスケールのトレイルレース『UTMF』に行って来ました。

 

今回は菊りんこと菊嶋啓選手の初100マイルのサポートとしてレースに同行しました。

 

スタート前に装備チェックや補充用の行動食、予備ギアなどを受け取ります。

 

ショートレースでは味わったことのない緊張感、高揚感がサポート隊にも伝わってきました。

頑張ってほしい気持ちと頑張りすぎないでという気持ちが常にあり、無事にゴールすることを祈りスタートを見送りました。急いで次のチェックポイントに行き補給の準備をし、待ちます。

 

タイトルを目指す選手のサポート隊が続々と集合します。

その中には『UTMB』の主催者であるカトリーヌさんや、実行委員長の三浦雄一郎さん、菊嶋選手のご両親などが観戦していました。しばらくしてトップ選手が通過し、補給の速さに驚いていたら日本選手トップがエイドに到着。

 

驚きました、菊嶋選手です!!

海外のトップ選手の張り詰めたオーラに負けず劣らず、菊嶋選手も集中してます。

 

 

補給食の補充中にカメラマンに囲まれてしまい、緊張MAⅩ状態に。

サポート役なのに手が震えてしまう程にメディアの注目を浴びてました。

 

無事に補給を済ませ、背中を見送りサポート隊も次のチェックポイント目指します。

 

道の駅すばしりでは菊嶋選手の職場の皆さんがアツイ応援に駆けつけてくれました。

職場の皆さんもトップ選手の張り詰めたオーラとカメラマンに囲まれ緊張MAⅩ状態に(笑)

 

ここまで総合3位をキープし日本選手トップのハイテンポでレースを進める菊嶋選手にトラブルが発生していました…

5合目太郎坊チェックポイント到着時に、足の痛みと内臓の疲れを知らされます。

気温は一桁に低下、暗闇睡魔との戦い、迫る痛み…回復する要素を考えながらも、リタイアという選択肢もサポートの仕事なのかと考えました。

 

それでも菊嶋選手は確実に前に前に進みます。

 

真夜中、富士山こどもの国チェックポイントに到着。

モンチュラアクティブシェルを着込み、手袋をつけ防寒対策。ニューハレテープで足の応急処置。

ハニーのグミを補充し次のチェックポイント目指します。

 

この時点で約80キロ弱。

試されるキツさに負けない事を祈ります。

 

東には朝日に染まる富士山。夜明けに100キロ過ぎのエイドでテープの巻き直しを済ませ、コースのハイライト天子エリアへ挑みます。試走でも5時間かかるルートを現状で打破出来るのか…

心配しかありません。順位も差も伝えてません。

 

試走時に見つけたエスケープルートへ先回りし待ちます。

 

無事に通過を確認し本栖湖へ。

勝ちを常に視野に入れている選手だけに悔しいだろうけど、『完走しよう、目的を変えて、歩こう』と何度も言いました。

 

痛みに耐え歩き続け、日は傾き、二度目の暗闇。

 

ゴールエリアに菊嶋選手を待つ面々。中には半日待っていて下さった方まで。

日本人トップの友人、山本健一選手もスタンバイ。

 

皆さんに お帰りなさい と祝福されラストの直線は手をつないでゴールに入りました。

言葉になりませんでした。ウルッときました。

 

 

菊嶋選手の諦めない姿勢に大きなものを得たUTMF。

表彰台にのらなくともレースの主旨は挑む事なんだということを教えてもらえました。



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